現在のパンジー・ビオラの成立には、5種の自生種が関与しているといわれている。
1813年、イギリスの園芸家トムソンが、ヨーロッパに分布するトリコロル種とルテア種を交配したことパンジーの始まりとされている。
シベリア地方に分布するアルタイカ種もイギリスに渡って交配に用いられるようになり、1835年には既に400もの品種が存在していたようです。その後、中央ヨーロッパに分布するカルカラタ種もパンジーの成立に関与したと考えられている。トムシンはショーパンジーと呼ばれる展示会用品種を作り出し、一世を風靡(ふうび)した。
1867年には、スコットランドの種苗商グリーヴが、ピレネー山脈に自生するコルヌタ種の園芸品種に、ショーパンジーやその他の種をかけ合わせ、ビオラと呼ばれる園芸品種群を作り出した。
パンジー、ビオラと共に、ヨーロッパの自生種を基にして作り出されているため、冷涼な気候を好み、高温多湿な環境には適していない。日本では夏越しが難しいため秋播き一年草として扱われているが、夏期冷涼な地方では数年間は生育することができる。
また本来は春咲きの性質を持っているが、1960年代になると、日長に関係なく、また低温を経験しなくても開花する性質を持った品種が作出され、現在では秋から春まで長く楽しめる花になった。
軽部鳥頭子 |
鉢に乱れし 三色菫(すみれ) 地にかへす |
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