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<土製品の出土状況>
明ヶ島5号墳の盛土の下に、一辺が約14m、高さ60pの高まりがあった。この高まりは祭壇と考えられ、土製品が4,000点以上出した。土製品は、祭壇の平坦面と斜面に数十点ずつまとまった状態で、75箇所に分かれて見つかった。土製品は、意図的に割られていたり、逆さまに埋められた状態で出土したものもあった。
<明ヶ島5号墳>
明ヶ島5号墳は、屈曲する尾根のコーナーに5世紀後半に築かれた方墳で、古墳群のなかでも初期のものです。墳丘は一辺約19m、高さが約2mの方墳で、2段に分けて造られており、表面には石が葺かれていた。
埋葬施設は3箇所あった。最初の埋葬施設は中央に造られ、その後さらに北と南に造られた。中央の埋葬施設の床には石が敷かれ、大刀、剣、鉄鏃などの武器と鎌、鍬などの農具、砥石が副葬されていた。北側の埋葬施設からは鉄鏃が、南側の埋葬施設からは、鏡、剣、刀子
(小刀) がみつかった。最初に5号墳に埋葬されたのは、この地域を治めた有力者で、その南北には家族が埋葬されたと考えられる。 |
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子ども |
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鳥 |
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| 猿 |
椀 |
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| 鎧 |
盾 |
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| 太刀 |
弓 |
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| 土錘 |
靭付円筒 |
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| 琴 |
笛 |
明ヶ島土製品の総数は、 発掘調査で破片を含め4,000点以上が出土している。これらを整理したところ、2,700点余りの個体数が確認された。このうち、1,064点が平成25年(2013)に重要文化財の本指定に、残りが附指定となった。
土製品は古墳時代 (約 1,000年前) に粘土をこね、 焼き上げて作ったもので、それらのほとんどが、10p以内の大きさです。模擬的な儀式(マツリ)に用いられたものと想像されるが、何の目的で作られたのか、どのようにマツリを行ったのか、明確には分かっていない。
人や動物、武器、武具、鏡、農工具、機織具、楽器形など、数多くの種類が出土し、当時の人々の信仰や生活の様子、道具の変遷を知ることができる極めて重要な資料です。 |
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