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この機関車は昭和11年日本車輌で製造され、石川県七尾機関区を走行していた機関車である。太平洋戦争において90両が南方に徴用されたが、タイで活躍し、この31号機は、泰緬(たいめん)鉄道の開通式に参加した機関車である。
戦後は、タイ国有鉄道で使用され、昭和52年(1977)に引退することになったが、泰緬鉄道建設に関係した南方軍野戦鉄道隊関係者が拠金してタイ国有鉄道から譲り受け、昭和54年(1979)、靖国神社に奉納された。
<泰緬鉄道>
昭和17年(1942)6月、日本軍はビルマ(現ミャンマー)・インド進攻作戦の陸上補給を目的に、タイ(泰)のノンプラドックからビルマ(緬甸)のタンビザヤの最短距離、415qの区間で鉄道建設を開始した。工事は日本の国鉄規格を基本にして、鉄道第五、第九聯隊を中心に連合軍捕虜や現地住民など約17万人が従事し、1年3ヶ月という驚異的な早さで、昭和18年(1943)10月に開通した。この区間はかつてイギリス軍が建設を構想したが断念したもので、険しい地形と過酷な熱帯気候などの悪条件のもと、敷設は困難を極めた。
<奉納趣旨>
泰緬鉄道建設の苦闘と戦争の悲惨さを視つめ、戦後も黙々として泰緬沿線の地域開発に活躍したC56型機関車90輛の代表として31号機を奉納し関係殉難者の慰霊と永久平和を祈念するものです。
昭和54年(1979)8月 泰緬鉄道関係各部隊 及一般協力者一同 |
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