私は旅が好きです。旅に出るといつもの自分から解放された気分になりほっとします。家族旅行、夫婦フルムーン旅行、一人旅どれも魅力があります。旅の魅力とは何でしょうか。
第一は、計画を立てているときの何とも言えない楽しさです。時刻表、ガイドブック、インターネットで検索した資料、現地の観光協会から取り寄せたパンフレットを駆使して、ここへ行こう、あそこへ寄ろう、バスがある・ない、間に合わない、博物館が休みだ、どうしようとか、まだ行ったことのない土地に思いをはせているときが楽しいものです。
第二は、人との出会いです。道を聞くと、「ゆっくり観ていってください、いいところですから」と笑顔で丁寧に教えてくれたおばあさん。「ここは暖房がないから冷たくてすいません、よかったらこれ飲んで暖まってください」と缶コーヒーをくれた資料館のおばさん。心が温かくなりました。「浜名湖のほとりですか、暖かくて毎日海が見えてうらやましいですね」とふるさとの良さを再認識させてくれた夕食に立ち寄った食堂の主人。人の心の温かさに触れることができるのも旅の魅力です。
第三は、おいしい食べ物との出会いです。その土地ならではの食材や料理があります。その土地で取れた食材を地元の料理人が調理し、その場で食する。これが一番です。信州(長野県)上田では、蕎麦と馬刺とクルミが代表的です。武州(埼玉県)秩父では豚のみそ漬けや串焼きが名物です。豊かな食は心まで豊かにしてくれるようです。
第四は、風土に直接触れることです。風土とはその土地固有の気候・地味など、自然条件や土地柄のことです。触れ方は人様々でみな違います。私は電車やバスなどの公共交通機関を利用することで、風土に触れようとしています。車に比べると時間にロスが多く、行く場所や行動範囲も限られてきますが、良さもあります。例えば、定期バスは昔からの集落を走るのでそこで生活する人々の息づかいを感じることができます。電車やバスには様々な人が乗り降りします。会話や服装、態度など、人が生きていることを実感できる空間でもあります。また、待ち時間のぼーっとした雰囲気もいいですね。
旅の魅力について書いてみましたが、私が旅が好きな理由はもう一つあると想像しています。それはおそらく出て帰る巣、即ち家族や仲間がいるからではないでしょうか。温かな家の存在があるからこそ、旅の魅力もある。さあ、旅にでかけませんか。(M.F
さんより) |