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<一カ山 毘盧舎那院 仏木寺>(ぶつもくじ) 「一カ山」の「カ」は王偏に「果」
大同2年(807)空海(弘法大師)がこの地で牛を牽く老人に勧められて牛の背に乗って進むと、唐を離れる際に有縁の地を求めて東に向かって投げた宝珠が楠の大樹にかかっているのを見つけた。そこで、この地が霊地であると悟り楠木で大日如来を刻んで、その眉間に宝珠を埋め、堂宇を建立して開創したという。これを本尊として安置し、「一カ山佛木寺」と名づけ、草字体で書写した『般若心経』と『華厳経』一巻を奉納されたと伝えられる。
宇和島藩主西園寺家の祈祷ならびに菩提寺として栄えたが、永禄、元亀のころの戦乱に災され寺宝が散逸したが、西園寺宣久公の尽力により大半を納めたといわれる。慶安元年(1648)以降は藩主の保護により伽藍を再建し今日に至っている。
山門(仁王門)は、以前の門は1919年に建立されたが、老朽化したため2010年から建て替え、2011年に落慶した。入母屋造楼門
本尊 |
大日如来 |
真言 |
おん あびらうんけん ばざら だとばん |
宗派 |
真言宗御室派 |
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<本堂>
弘法大師像は「正和4年(1315)10月5日開眼」の胎内銘が入り、銘入りの大師像として日本最古のものといわれている。本堂は享保13年(1728)に、吉田藩主伊達村賢が建てたものである。 |
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<大師堂>
大師堂は前堂と後堂がある。前堂には白塗り着色の大師像が、後堂には県有形文化財の木肌の大師像が安置される。 |
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境内に家畜堂という小さなお堂がある。ミニチュアの牛や馬の草鞋をはじめ、牛馬の陶磁器、扁額などがところ狭しと奉納されている。近隣の農家では、田植えが終わったころに参拝に行き、牛馬の守護札を受けて帰り、畜舎の柱に貼っていた。
往時は農耕をともにした家畜たちの安全を祈願していたが、最近ではペットなども含めて動物一般の霊を供養したり、また、闘牛の飼育者の間にも信仰が広がっているという。牛馬家畜の守り仏として信仰が厚く今もそのお守り札を出している。
霊場では珍しい茅葺屋根の鐘楼堂。 |