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この庭は浜松城の足元に位置する庭園として、また、郷土の自然風土に溶け込み市街地の中で植物により四季の変化や日本庭園の良さを味わえることを主題として作庭されている。
自然地形の高低差と豊かな既存樹が利用され、谷間に上、中、下の三段池とそれぞれ大滝、小滝、滑滝が設けられ、深山渓谷が表されている。これらを鑑賞するため廻遊式の園路が巡らされ、上池に石橋、下池に木橋が架けられ庭園の添景となっている。また、大滝を鑑賞できる位置に東屋が設置され、利用者がそれぞれ自分の好みの景観を見いだせるようにしてある。
<滑滝>
斜面を伝い落ちる形の滝で、水の落ち方に変化をつけるため工夫が凝らされている。水の量や周囲の四季の変化により様々な景色が作られ、天竜川の一景観としてもみることができる。
<島>
日本庭園の手法には大海を表す池に島をつくることが多く、それは中島や神仙島(蓮菜、方丈、瀛州)や鶴島、亀島など呼ばれている。この池にも島がつくられているが、この池の島は意匠上つくられたもので、滑滝と石橋、池、島により情趣ある景観がつくられている。
<敷石>
飛石が一石づつの歩行路に対して、敷石とは自然石や切石などを用いた舗装路のことをいう。この敷石は畳石や延段また石段などと様々に呼ばれている。形態の上から見れば切石敷、切石と自然石を多種多様に組み合わせた寄石敷、玉石などの自然石を敷き並べた玉石敷の3種類に大別され、真行、草の敷石とも呼ばれている。 |
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<東屋>
家康の居城した浜松城を意識して作られている。屋根の緩やかな曲線など、その地代(江戸時代初期)に合った木造建築となっている。軒内の石張りは丹波石が使われている。
<大滝>
大滝は本庭園の中心ともいえるもので、美観を要すると共に安定強固な石組とする必要があり、石材には多きさ的にこの地方のものが得られず、恵那地方(岐阜県)より搬入したものを使っている。なお、大滝と滑滝は対をなし、雄大さと優しさを持たせて剛毅な中にも花を愛する戦国武将の心情が表されている。
<石組>
日本庭園の中で石組みは重要な役割を果たしている。単調にならないように、植栽と調和させながら場所ごとに見せ場が作られている。本庭園の主な石は、浜松城の石垣(野面積み)と同じ、遠州地方(三ヶ日、湖西)の石を使い郷土色豊かな雰囲気を醸し出すようにしてある。
<石灯籠>
石灯籠の起源は本来仏教の献灯にあると考えられる。それを露地の照明や添景物として使われるようになり、その後日本庭園の景色や雰囲気を盛り上げるために用いられ始め、構成上の重要な役割をもつようになった。その形も様々で、古くから寺社の献灯用として造られたものや、優れた茶人たちのアイデアで造られたものなどがある。 |
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