平安神宮・神苑 |
回遊式庭園 京都市左京区
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日本文化の祖神を祀る平安神宮は、明治28年(1895)平安京遷都1100年を記念して創建された神宮で、その社殿は平安京の正庁朝堂院の様式を模しており、往時の雅を偲ぶことができる。
神苑は社殿を囲み、南・西・中・東の4つの庭で構成され、その広さは約1万坪(33,000u)を誇り、明治を代表する回遊式庭園として国の名勝にも指定されている。
<東神苑>
東神苑は、明治末期から大正初期にかけて造られた。京都御所から移築された泰平閣(橋殿)並びに尚美館(貴賓館)があり、広大な栖鳳池(せいほういけ)には、鶴島・亀島の二島を配し、その周囲には八重紅枝垂桜をはじめ、さつき・つばきなど多様な花木が植栽され、水面に写る花々は格別の風情を醸す。また、東山を借景とした神苑は、明治時代を代表する名庭である。 |
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<中神苑>
西神苑と同じく、平安神宮創建時に作庭されたもので、庭の中央に蒼龍池(そうりゅういけ)がある。池の東側の大島(珊瑚島)から北岸にかけて、天正年間の三条・五条大橋の古石柱や梁を用いた沢飛び「臥龍橋」(がりゅうきょう)がある。また、光格天皇遺愛の「折鶴」という珍種をも含め、池を囲んで杜若(カキツバタ)が群生し水面には、睡蓮や河骨(こうぼね)が咲き、初夏には風趣に富んだ景色となる。
<沢渡「臥龍橋」>
池中の飛石を臥龍橋と称す。使用の石材は、天正年間、豊臣秀吉が造営した三条・五条両大橋の橋脚である。当苑内には五十数個が保存されており中には「津國御影天正十七年」と刻まれた石柱もある。 |
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<西神苑>
平安神宮が創建された明治28年に中神苑とともに造られた。白虎池(びゃっこいけ)を中心とした庭は、池の西側に出島・北側には、神苑唯一の滝があり西南の築山には茶席「澄心亭」(ちょうしんてい)がある。初夏を彩る池畔の花菖蒲は、特に有名である。(約2百種類・約千株植栽) |
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<南神苑(平安の苑)>
この神苑は、明治28年平安神宮創建以来八重紅枝垂桜の名所として親しまれてきた。昭和44年孝明天皇百年祭の記念事業として、平安時代の特色である野筋(のすじ。道筋)と遣水(やりみず)が設けられた。また、昭和56年には往時の代表的文学書(竹取物語・伊勢物語・古今和歌集・枕草子・源氏物語)に登場する草木、約180種類を植栽して、王朝文化をしのばせる庭「平安の苑」とした。 |
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