二条城二の丸庭園は、池を中心とした庭で、三つの島を置き、四つの橋を架け、西北隅に滝を落とし、池の汀に多くの岩石を配した景観は変化に富んで秀麗であり豪壮な趣がある。
庭園は大広間の西、黒書院の南に位置し主として大広間から鑑賞せられるのであるが、寛永3年後水尾天皇行幸の際、行幸御殿が庭園の南に設けられた関係で、南方よりの鑑賞の事も考えて庭園南部の石組に変更を加えた形跡が見られる。
作庭年代については、記録や作風から推して慶長7・8年頃二条城が造られた時にその建築に調和させて築造せられたもので後水尾天皇行幸の際一部改修を加えられ今日に至ったものと考えられる。そして、その作風は桃山末期乃至江戸初期に大成された書院造りの大建築に伴う庭園の特徴をよく示し、現存歴史的庭園中の優秀作品の一つに数えられる。
<蘇鉄の養生>
蘇鉄(そてつ)は、寒さに弱いため、例年この時期(冬)幹全体にこも巻きを施し、養生を行う。こも巻きの手法は、代々受け継がれてきたもので、こも巻きをした姿もまた美しく二の丸庭園の冬の風物詩となっている。 |