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<銅鐘 石町時の鐘>
江戸で最初の時の鐘は、本石町三丁目(現在の本町四丁目・室町四丁目の一部)に設置された石町(こくちょう)の時の鐘であるといわれている。江戸市中に時刻を知らせた時の鐘は、市街地の拡大にともない、浅草・本所・上野・芝・市谷・目白・赤坂・四谷などにも設けられた。
石町時の鐘は、鐘撞き役であった辻源七の書上によると、寛永3年(1626)に本石町三丁目へ鐘撞堂を建てて鐘を撞いたことが記されており、鐘の音が聞こえる範囲の町からは「鐘楼銭」を集めて維持・運営が図られていた。
本石町に設置された時の鐘は、何度か火災にあって破損したために修理や改鋳が行われた。現在の銅鐘には「寛永辛卯四月中院 鋳物御大工 椎名伊豫藤原重休」の銘文が刻まれており、宝永8年(1711)に鋳造されたことがわかる。
「石町は江戸を寝せたり起こしたり」と川柳にも詠まれた石町時の鐘は、明治を迎えて廃止されたが、昭和5年(1930)に本石町から十思公園内に完成した鉄筋コンクリート造の鐘楼へ移設されて現在に至っている。 |
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